コラージュ、赤コピー
A4サイズ(複数)
2006年
それほど観光旅行に興味をもたない人にとって、過剰に情報を盛り込まれた旅行会社の観光チラシとそのチラシ置き場の様子は奇異に映る。そのチラシ作りの仕事量やチラシ置き場のボリューム感は別の世界を成しているように思える。それらの観光チラシの中に見られる「富士山」のコラージュがコピー機の赤トナーの印刷により『赤富士』となる。
コラージュ、糸綴じ
297 x 210 x 40 mm
2006年
観光チラシを富士山の等高線の形に切り抜いて積み重ねて行くうちに、富士山を螺旋状に登って行くような感覚を覚えた。実際にはそうした登山はあり得ないけれども、そこで思い出されたのは江戸時代に盛んだった富士山信仰で人工的に盛土をして富士塚(ミニ富士山)をつくり、富士登山を擬似的に体験していたという話だ。富士塚の目的はもう一つ、頂上から本物の富士山を眺めることだったそうだが、標高40mmのミニ富士山も本当の富士山を見つめなおす富士塚になればいいなと思う。
会 期: | 10 月 14 日(土)・15 日(日) 梅宮 優子・甲賀 雅子・山内 玲奈[宇都宮大学大学院教育学研究科] 10 月 21 日(土)・22 日(日) 荒牧 夕子[映像] 10 月 28 日(土)・29 日(日) 長 靖[コラージュ] |
会 場: ウェブ: |
HAT(宇都宮) 公式サイト weekendart.web.fc2.com ブログ weekendart.blog57.fc2.com |
《週末芸術》
宇都宮市内には美術大学が存在するにもかかわらず、20 - 30代のいわゆる若手作家の作品を発表する場や交流の機会が、あまりありません。そのような作家や愛好家たちは、空き店舗やカフェ・喫茶店などの壁面を利用した発表をしたり、あるいは都内や美術に力を入れている周辺地域まで足を伸ばすなどして、それを補ってきました。しかし、宇都宮という街の規模や、そういった人材を搬出し得る教育機関(宇都宮大・文星芸大等)の存在を考えても、若い世代のための発表・交流の場があってもよいのではないでしょうか。
宇都宮駅前の街並に開かれたガラス壁面を多く持つオープンなスペースHATでの展示は、多くの人々の目にとまることになるでしょう。
《HAT》
2004年に登場した宇都宮駅前のサロン的カフェをもつ創造スペース。「地元」の情報発信や交流・出会いの場を目指す。街並に対し開かれたカフェスペース、オープンデッキ、大谷石敷のポケットパークという空間の特徴を活かし、これまでにダンス、ゴスペル、ウエディング等各種イベントや、セミナーが行われている。
オーナーが営むオリジナルグッズのショールーム・ショップスペースもあり、グッズ製作のサポートも可能である。