CET05オルタナティブ : 長靖 展
  家電の新製品は次々と発売される。そして家電カタログを手に自分好みのものを選びつつ、購入にあたっての時期やふところ具合をうかがっているうちに目当ての製品が型遅れになってしまったりする。また多くの場合、家電の新製品は日常生活に新しい感触をもたらしてくれる。でも、それらは次第に日常の一部に溶け込んで当たり前のものとなるのだが、しげしげと眺めていたカタログには製品購入前のワクワク感を呼び起こしてくれるものがある。  
     
HPSV-15V型
切り抜き,カラーコピー,重ね刷り
333 x 286 mm
2005 年
HPSV-17V型
切り抜き,カラーコピー,重ね刷り
411 x 242 mm
2005 年
HPSV-18V型
切り抜き,カラーコピー,重ね刷り
391 x 286 mm
2005 年
  作品カタロクシリーズは家電カタログからイメージを切り抜き、印刷物に対して抱く思いを作品とする試み。『HPSV-15V型』〜『HPSV- 18V型』では、有名4社のテレビ製品カタログからテレビ画面を切り抜き、パースが異なる各社のテレビ画面がカラーコピーによって重ねられている。
『白物(エアコン)』はエアコンの製品カタログから切り抜いたエアコンの吸気部スリットを連続にならべ、製品の実寸幅に合わせて拡大コピーした長尺作品。ロール状に丸められたこの作品は、部屋に設置された実物のエアコンに載せられ、風が吹き出すかのように作品の一端が床に向かって垂らされる。
 
     
白物(エアコン)
切り抜き,モノクロコピー
840 x 4000 mm
2000 - 2005 年
フラット・オア・カーブ
切り抜き,カラーコピー
B6 サイズ, 16 ページ
1999 年
  『 FLAT or CURVE(フラット・オア・カーブ)』の制作時期である 1999年当時は、 従来の曲面状ブラウン管と平面ブラウン管のテレビが混在していた(液晶は極少数)。そのためこのブック作品はフラットな輪郭をもつページとカーブする輪郭をもつページが混在する。
各ページを製本した糸は長く伸びて、ビデオケーブルを思わせる“しおり”になる。
 
     
『カタロク』 長靖 展

開催期間:2005 年101 日 [土] -1010 日 [月・祝]
展示場所:
穂苅ビル 2F

『カタロク』長靖展は、CET05(セントラルイースト東京2005)の展示・イベントの一環として行われました。展示にあたっては、神田エリアの空き物件である穂苅ビル(2F)を使用しました。
「CET(Central East Tokyo)」とは……かつての東京の中心部であった地域を、デザイン・アート・建築の観点から「再発見=創造」するための運動体の呼称であり、このエリアの名前でもあります。
2005年のテーマは「ロジカルトーキョー」。「ロジカル」とは「路地カルチャー」の意味であり、路地の論理(ロジック)は、いつの時代も革新的(ラディカル)である、というコンセプトに基づいて生み出されました。

   
 
  公式サイト www.centraleasttokyo.com/05/  
 
   
穂苅ビル 東京都千代田区内神田1-10
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